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ハーツのコラム

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 vol.4  「伝える」ということ  

娘が弟の結婚式に着たいと言った振り袖は、私の二十歳のお祝いに母が用意してくれたものでした。今ではあまり見ない、その総柄の振り袖は当時の老舗デパートのディスプレィで母と同時に一目惚れして選んだものでした。娘は成人式にもそれを着て行きたいと言って、小物だけを現代風のものでコーディネイトして写真におさまりました。母はどんなにか嬉しかったのでしょう、写真館に同行して孫の晴れ姿に見入っていました。
物を通じて伝わっていく、好み、記憶、そして言葉にならない様々な想い…。今、娘と一緒に物を選ぶときに感じている底辺に流れる共通の好みの色や形。そして一方ではまた、明らかにある世代の違いによる埋めようもない感覚の違い。ふたりのフィルターを通して初めて生まれるハーモニーが、いつも穏やかな和音を奏でていることを願っています。

vol4
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